群馬県四万温泉にある積善館の風呂は、300年以上の歴史を持つ老舗旅館の魅力の核心部分です。映画「千と千尋の神隠し」のモデルとしても知られるこの旅館には、昭和初期の大正ロマネスク様式を今に伝える「元禄の湯」をはじめ、5つの異なる温泉施設があります。
本記事では、積善館の風呂について徹底的に調査し、日帰り利用の詳細から各温泉の特徴、料金体系、さらには知られざる魅力まで、どこよりも詳しくまとめました。実際に利用する際の注意点や裏技も含めて、初めて訪れる方にもわかりやすく解説していきます。
この記事のポイント |
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✅ 積善館には5つの異なる温泉施設がある |
✅ 日帰り利用は元禄の湯のみで料金は大人1,500円 |
✅ 混浴の岩風呂は2023年に解体されて現在は存在しない |
✅ 撮影禁止だが公式フォトギャラリーで写真が無料利用可能 |
積善館の風呂は5種類!それぞれの特徴を徹底解説
- 元禄の湯は昭和5年建築の大正ロマネスク様式浴室
- 杜の湯は佳松亭にある現代的な内風呂・露天風呂
- 山荘の湯は無料で使える貸切風呂(家族風呂)
- 積・善は有料予約制の贅沢な貸切風呂
- 岩風呂は過去に存在した混浴温泉(現在は解体済み)
元禄の湯は昭和5年建築の大正ロマネスク様式浴室
積善館の風呂の中でも最も有名なのが「元禄の湯」です。この温泉は昭和5年(1930年)に建築された、当時としては最先端のデザインを誇る大正ロマネスク様式の浴室で、国の登録有形文化財に指定されています。
元禄の湯の最大の特徴は、5つの石造りの浴槽がシンメトリーに配置された独特な構造です。大きな湯船が一般的ではなかった時代に作られたため、現在の温泉とは全く異なる雰囲気を味わうことができます。アーチ形の大きな窓から差し込む自然光が浴室内を美しく照らし、まるでタイムスリップしたかのような感覚を覚えるでしょう。
🏛️ 元禄の湯の基本情報
項目 | 詳細 |
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建築年 | 昭和5年(1930年) |
様式 | 大正ロマネスク様式 |
浴槽数 | 5つ(石造り) |
文化財指定 | 国の登録有形文化財 |
利用時間 | 5:00~25:00(宿泊者) |
日帰り利用 | 10:00~17:30 |
また、元禄の湯には現在では珍しい「蒸し風呂」も併設されています。これは源泉の湯気を利用したサウナのような施設で、お風呂のルーツとも言われる古い形式が残されています。脱衣所と浴室が一体となった構造も、昭和初期の浴室建築の特徴を色濃く残しています。
源泉は新湯川の川底から毎分900リットルという豊富な量が自然湧出しており、元禄の湯は源泉に最も近い位置にあるため、最も新鮮な温泉を楽しむことができます。泉質はナトリウム・カルシウム塩化物硫酸塩温泉で、肌触りがやわらかく、サラリとした入り心地が特徴です。
さらに注目すべきは、脱衣所の床が源泉によってほんのりと暖められていることです。これは暖房と床の乾燥を兼ねた昔の人の知恵で、現代では見ることのできない工夫が施されています。
杜の湯は佳松亭にある現代的な内風呂・露天風呂
積善館の風呂の中で最も設備が整っているのが「杜の湯」です。最も新しい建物である佳松亭に位置するこの温泉は、現代的な大浴場として多くの宿泊者に愛用されています。
杜の湯は内風呂と露天風呂の両方を備えており、四季の移り変わりを感じながら温泉を楽しむことができます。特に露天風呂からは、緑豊かな自然林を眺めることができ、新緑の季節や紅葉の時期には格別の美しさを演出します。宿泊者からは「自然と一体になれたように感じる」という感想も寄せられているほどです。
🌿 杜の湯の設備・アメニティ一覧
男性用アメニティ | 女性用アメニティ |
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シャンプー・リンス | シャンプー・リンス |
ボディソープ | ボディソープ |
カミソリ | クレンジング(浴室内) |
コーム | 化粧水・乳液 |
綿棒 | コットン・ブラシ |
ヘアトニック | ヘアゴム |
フェイスソープ | シャワーキャップ |
アフターシェーブローション | ドライヤー |
ドライヤー | 綿棒 |
杜の湯の利用時間は5:00~11:00と14:00~25:00となっており、11:00~14:00は清掃時間のため利用できません。また、午前1時~午前5時までは夜間清掃のため全館共通で利用停止となります。
この温泉の特徴は、元禄の湯のようなレトロな雰囲気とは対照的に、現代的な快適さを追求していることです。シャワー栓は7つ並び、ドレッサーやドライヤー、基本的なアメニティが充実しており、貴重品用ロッカーも完備されています。「源泉にこだわるよりも快適さを重視したい」という方には最適な選択肢と言えるでしょう。
ただし、杜の湯は宿泊者専用の温泉であり、日帰り利用はできません。この点は事前に理解しておく必要があります。
山荘の湯は無料で使える貸切風呂(家族風呂)
積善館の風呂の中でもユニークな存在が「山荘の湯」です。昭和11年に建築された山荘内にある2カ所の浴室は、内側から鍵をかけることができるため、家族風呂として無料で利用することができます。
山荘の湯は左右対称に配置された2つの浴室から構成されており、どちらもほぼ同じ設備を備えています。空いていれば24時間いつでも施錠して利用できるため、小さなお子様連れの家族や、プライベートな入浴を希望する宿泊者に人気があります。
🏘️ 山荘の湯の利用詳細
項目 | 詳細 |
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浴室数 | 2カ所(左右対称) |
利用料金 | 無料 |
予約 | 不要(空いていれば利用可) |
利用時間 | 5:00~25:00(清掃時間を除く) |
清掃時間 | 11:00~14:00、1:00~5:00 |
対象者 | 本館・山荘宿泊者 |
山荘の湯が人気の理由の一つは、本館と山荘の一部の部屋には客室風呂が付いていないことです。そのため、これらの部屋に宿泊する方々が貸切りの山荘の湯に集中する傾向があります。利用を希望する場合は、ちょいちょいチェックして空きを狙うのがコツです。
興味深いのは、なぜ1つの浴室に2つの浴槽があるのか、という点です。貸切り風呂になる前はどのような使い方をされていたのか、詳細は明かされていませんが、歴史的な変遷を感じさせる謎めいた構造となっています。
注意点として、浴室には「浴場での写真撮影はしないでください」という注意書きがあり、貸切り湯であっても撮影は禁止されています。また、2024年1月現在、山荘の湯は改装中で2024年3月末まで利用できない状況でした。山荘の建物自体が1936年築の国登録有形文化財であるため、定期的なリニューアルが必要となっているようです。
積・善は有料予約制の贅沢な貸切風呂
積善館の風呂の中で最も贅沢な体験ができるのが、有料予約制貸切風呂「積・善」です。佳松亭の中庭に佇む2つの独立した浴室「積」と「善」は、プライベートな温泉体験を求める方に最適な選択肢です。
「積」と「善」はそれぞれ異なる浴槽の形状を持っており、「善」は長方形の浴槽、「積」は石造りの丸い浴槽となっています。どちらも窓の外には四万の豊かな自然が広がり、森の風を感じながら源泉かけ流しのお湯を楽しむことができます。
💰 貸切風呂「積・善」料金体系
項目 | 詳細 |
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利用料金 | 45分間 3,300円(税込) |
利用時間 | 15:00~22:00(最終受付) |
予約方法 | チェックイン時にフロントで予約 |
浴室数 | 2カ所(「積」「善」) |
同時利用人数 | 大人2名+小さなお子様1名程度 |
貸切風呂の脱衣所には、大人2人が快適に利用できる程度のスペースが確保されています。コスメ類は用意されておらず、ドライヤー、綿棒、ティッシュのみの基本的な設備となっています。そのため、必要なアメニティは事前に持参することをおすすめします。
浴槽は露天風呂ではありませんが、ガラス戸を開け放つことで外気を取り込むことができ、森の中の孤立した雰囲気を演出します。カランは一ヶ所のみの設置となっており、おおよそのサイズ感を理解する目安となるでしょう。
この貸切風呂について、宿泊者の中には「45分3,300円の価格に見合うかどうかは個人の価値観次第」という意見もあります。特に、源泉風呂付きの客室に宿泊している場合は、わざわざ追加料金を支払ってまで利用する必要性を感じない方もいるようです。一方で、部屋に温泉が付いていない宿泊者にとっては、プライベートな温泉体験として価値のあるオプションと言えるでしょう。
岩風呂は過去に存在した混浴温泉(現在は解体済み)
積善館の風呂について調べる際に必ず言及されるのが「岩風呂」ですが、この温泉は2023年2月末に解体工事が行われ、現在は存在しません。しかし、積善館の温泉史を語る上で重要な施設であったため、その特徴について記録しておきます。
岩風呂は1959年築の混浴温泉で、青みがかった岩が積み上がった豪快で野趣あふれる造りが特徴でした。基本的には混浴でしたが、女性専用時間と男性専用時間が設けられており、女性専用時間には暗証番号を入力して入浴するシステムが採用されていました。
🏗️ 岩風呂の歴史的詳細
項目 | 詳細 |
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建築年 | 1959年 |
形式 | 混浴(時間制限あり) |
特徴 | 青みがかった岩を積み上げた構造 |
解体時期 | 2023年2月末 |
解体理由 | 老朽化とトラブル防止 |
岩風呂の混浴システムは複雑で、脱衣所から浴室に出る際には、ほぼ確実に入浴者から見上げられる構造となっていました。このため「混浴偏差値が高め」と評される、上級者向けの温泉でした。利用者の中には、この複雑な時間分けシステムを理解しやすくするための工夫された時計に感心する声もありました。
源泉温度は約60度と高温で、「高温注意」の札が掲示されていました。源泉の近くは熱湯、離れた場所はぬる湯と、自分好みの温度を探しながら入浴できるのが特徴でした。お湯は透明で、湯あみ着やタオルを巻いての入浴ができなかったため、特に女性にとってはハードルの高い温泉でした。
老朽化に加えて、おそらく様々なトラブルがあったと推測されることから、最終的には解体という選択が取られました。現在、積善館を訪れても岩風呂を体験することはできませんが、この温泉があったからこそ、積善館は「四万温泉唯一の混浴」として多くの温泉愛好家に知られることになったのも事実です。
積善館の風呂を120%楽しむための完全ガイド
- 日帰り利用は元禄の湯のみ!料金と利用時間を完全解説
- 積善館の料金体系は建物別で大きく異なる
- 千と千尋の神隠しとの関係は赤い橋がポイント
- 写真撮影は禁止だが公式フォトギャラリーが利用可能
- 見学のみでも楽しめる!駐車場は町営を利用
- 山荘と佳松亭の選び方は宿泊スタイル次第
- まとめ:積善館の風呂は歴史と現代が融合した至高の温泉体験
日帰り利用は元禄の湯のみ!料金と利用時間を完全解説
積善館の風呂を日帰りで利用したい方にとって最も重要なのは、利用できる温泉が限られているという事実です。日帰り入浴では、5つある温泉施設のうち「元禄の湯」のみが利用可能で、その他の杜の湯、山荘の湯、貸切風呂「積・善」は宿泊者専用となっています。
日帰り入浴の受付は本館フロントで行われ、券売機などは設置されていません。スタッフに日帰り入浴を利用したい旨を伝えることで手続きが可能です。事前予約は不要ですが、混雑時には入場者数を制限する場合があるため、確実に利用したい場合は事前に電話で確認することをおすすめします。
💰 日帰り入浴料金詳細
区分 | 料金(税込) | 付帯サービス |
---|---|---|
大人 | 1,500円 | フェイスタオル・歯ブラシ付 |
お子様(3~12歳) | 1,100円 | フェイスタオル付 |
2歳以下 | 無料 | – |
バスタオルレンタル | 550円 | 希望者のみ |
日帰り利用時間は平日・土日祝共通で10:00~17:30(最終入浴受付は17:00)となっています。この時間設定は宿泊者の利用を優先するためで、朝の時間帯と夕方以降は宿泊者専用時間となります。
日帰り利用者が使える施設は元禄の湯に加えて、足湯と湯上り処も含まれます。足湯は気軽に温泉を楽しめる施設として人気があり、湯上り処では静寂な環境でくつろぐことができます。ただし、休憩室の用意はないため、長時間の滞在には向いていません。
重要な注意点として、日帰り利用者は宿泊棟への立ち入りが禁止されています。また、有料ロッカーの数には限りがあるため、貴重品の管理には注意が必要です。駐車場については後述しますが、積善館の専用駐車場は使用できず、徒歩5分ほどの町営「桐の木平駐車場」(無料)を利用する必要があります。
積善館の料金体系は建物別で大きく異なる
積善館の風呂を利用するための宿泊料金は、3つの建物によって大きく異なる体系となっています。これは各建物のコンセプトや設備、サービス内容が明確に差別化されているためです。
最もリーズナブルなのは「本館」で、日本最古の木造湯宿建築を活かした湯治体験ができる施設です。トイレや洗面台は共用、部屋風呂はなし、食事は決められた時間に全員同じお弁当メニューという、昔ながらの湯治スタイルを現代風にアレンジしたセルフサービス形式となっています。
🏗️ 建物別料金・サービス比較
建物名 | 料金帯 | 部屋設備 | 食事スタイル | 利用可能温泉 |
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本館 | 最安 | 共用トイレ・洗面台 | お弁当(決まった時間) | 元禄の湯・山荘の湯 |
山荘 | 中級 | 個別設備あり | 会席料理(レストラン) | 全温泉利用可 |
佳松亭 | 最高級 | 露天風呂付客室あり | 会席料理(部屋食・個室食) | 全温泉利用可 |
「山荘」は昭和11年建築の国登録有形文化財で、各部屋ごとに美しい組子障子の意匠が異なります。職人の技が光る歴史的建造物での滞在を楽しめ、料理長自慢の懐石料理をレストラン&ラウンジで味わうことができます。
最高級の「佳松亭」は、温泉街の賑わいから離れた高台に位置し、温泉旅館ならではの贅と心尽くしのおもてなしを堪能できます。露天風呂付きの客室も複数用意されており、プライベートな温泉体験も可能です。
この料金体系で興味深いのは、土地の標高差がそのままサービスの高低差に反映されていることです。川沿いの低い位置にある本館から、山の斜面を這い上がるように山荘、そして最も高台の佳松亭へと向かうにつれて、料金とサービスレベルが上がっていく構造となっています。
千と千尋の神隠しとの関係は赤い橋がポイント
積善館の風呂が全国的に有名になった理由の一つは、スタジオジブリ作品「千と千尋の神隠し」のモデルの一つとされていることです。ただし、積善館が映画の直接的なモデルというわけではなく、宮崎駿監督がこの旅館の雰囲気にインスパイアされて作品に反映させたと言われています。
映画との関連で最も注目されるのは、積善館の前に架かる赤い欄干の橋です。新湯川にかかるこの橋は、映画の冒頭で主人公の千尋とカオナシが初めて遭遇するシーンの舞台となった「湯屋」の前の橋と非常によく似ています。実際に現地を訪れると、映画の世界観を彷彿とさせる幻想的な雰囲気を感じることができるでしょう。
🎬 千と千尋との関連ポイント
映画の要素 | 積善館の対応する部分 |
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湯屋の建物 | 本館の木造湯宿建築 |
赤い橋 | 新湯川にかかる赤い欄干の橋 |
古い温泉建築 | 大正ロマネスク様式の元禄の湯 |
異世界への入口 | 本館と山荘をつなぐ「浪漫のトンネル」 |
本館と山荘をつなぐ「浪漫のトンネル」も、映画ファンには見逃せないスポットです。このトンネルは戦前に作られたと推測され、千と千尋の神隠しで「異空間への移動シーンのモデルになった」と言われています。実際にトンネル内を歩くと、確かに異世界に迷い込んだような不思議な感覚を味わうことができます。
ただし、積善館側は映画との直接的な関係を公式に発表しているわけではありません。あくまで「モデルの一つと言われている」という表現に留まっているため、ファンとしては想像を楽しむ程度に理解しておくのが適切でしょう。
近年では、この映画との関連により多くの観光客が訪れるようになり、積善館の知名度向上に大きく貢献しています。特に海外からの観光客にも人気が高く、ジブリファンの聖地巡礼スポットとしても定着しています。
写真撮影は禁止だが公式フォトギャラリーが利用可能
積善館の風呂を紹介する際に必ず触れなければならないのが撮影に関するルールです。積善館では浴室および脱衣所での写真撮影は全面的に禁止されており、これは盗撮防止や他の利用者のプライバシー保護を目的とした措置です。
この撮影禁止のルールは、元禄の湯をはじめ全ての温泉施設で適用されています。たとえ貸切風呂や家族風呂であっても例外はなく、違反した場合は退館を求められる可能性もあります。SNSでの投稿や旅行の記念写真を撮りたい気持ちは理解できますが、ルールは厳格に守る必要があります。
📸 撮影に関するルール詳細
禁止エリア | 理由 | 代替手段 |
---|---|---|
浴室内 | プライバシー保護・盗撮防止 | 公式フォトギャラリー利用 |
脱衣所 | プライバシー保護・盗撮防止 | 公式フォトギャラリー利用 |
貸切風呂内 | 施設保護・一律ルール適用 | 公式フォトギャラリー利用 |
しかし、積善館では撮影禁止の代償として、非常に素晴らしいサービスを提供しています。それが公式ホームページの「フォトギャラリー」です。ここには、プロのカメラマンが撮影した高品質な温泉施設の写真が多数掲載されており、これらの写真は自由にダウンロードして利用することができます。
公式フォトギャラリーの写真は、一般の方が撮影するよりもはるかに美しく、照明や構図も完璧に計算されています。元禄の湯の幻想的な雰囲気や杜の湯の自然との調和、さらには外観や料理の写真まで、積善館の魅力を余すところなく伝える内容となっています。
温泉ブロガーや旅行記を書く方にとっては、「撮影禁止でも全然OK」と言える程度の充実した素材が提供されています。実際に、多くの宿泊者がこのサービスに感謝の声を寄せており、他の温泉旅館にも同様のサービス提供を求める声が上がっているほどです。
見学のみでも楽しめる!駐車場は町営を利用
積善館の風呂に興味があっても、必ずしも入浴する必要はありません。この歴史ある建築物は外観だけでも十分に価値があり、見学のみでも楽しむことができます。特に、映画「千と千尋の神隠し」のファンや建築に興味がある方にとっては、建物そのものが重要な観光スポットとなっています。
見学の場合でも、駐車場の利用方法は日帰り入浴者と同様です。積善館には宿泊者専用の駐車場がありますが、日帰り利用者や見学者は利用できません。代わりに、徒歩約5分の場所にある町営の「桐の木平駐車場」を無料で利用することができます。
🚗 駐車場利用ガイド
駐車場名 | 利用対象 | 料金 | 積善館からの距離 | 備考 |
---|---|---|---|---|
積善館専用駐車場 | 宿泊者のみ | 無料 | 徒歩0分 | 日帰り利用不可 |
桐の木平駐車場(町営) | 誰でも利用可 | 無料 | 徒歩約5分 | マップコード: 554 033 874*68 |
桐の木平駐車場から積善館までの道のりも、四万温泉街の風情を感じながら歩ける楽しいルートです。川のせせらぎを聞きながら、温泉街独特の雰囲気を味わうことができます。特に早朝や夕方の時間帯は、湯煙が立ち上る幻想的な光景を楽しむことができるでしょう。
見学の場合、建物の外観撮影は可能です。赤い橋と本館の組み合わせは絶好の撮影スポットとなっており、多くの観光客がここで記念写真を撮影しています。また、本館1階には歴史資料館「元禄の間」があり、300年以上の歴史を物語る史料が展示されています。
ただし、見学であっても宿泊棟への無断立ち入りは禁止されています。また、営業中の施設であることを忘れずに、他の利用者の迷惑にならないよう配慮することが重要です。
山荘と佳松亭の選び方は宿泊スタイル次第
積善館の風呂を宿泊で楽しむ場合、山荘と佳松亭のどちらを選ぶかは重要な判断となります。両者はそれぞれ異なるコンセプトで運営されており、求める宿泊体験によって最適な選択肢が変わってきます。
山荘は昭和11年建築の国登録有形文化財で、各部屋ごとに職人の技が光る美しい組子障子の意匠を楽しむことができます。歴史的価値を重視し、伝統的な日本建築の美しさを感じたい方には最適な選択です。料理は季節を楽しむ会席料理がレストラン&ラウンジで提供され、落ち着いた雰囲気の中で食事を楽しむことができます。
🏯 山荘vs佳松亭 比較表
比較項目 | 山荘 | 佳松亭 |
---|---|---|
建築年 | 昭和11年(1936年) | 昭和61年(1986年) |
文化財指定 | 国登録有形文化財 | なし |
特徴 | 組子障子の美しさ | 高台からの静寂 |
食事場所 | レストラン&ラウンジ | 部屋食・個室食 |
料金帯 | 中級 | 最高級 |
コンセプト | 歴史と伝統 | 贅と心尽くし |
一方、佳松亭は温泉街の賑わいから離れた高台に位置し、静寂に包まれた環境で贅沢な滞在を楽しむことができます。露天風呂付きの客室も用意されており、プライベートな温泉体験を重視する方には理想的です。食事は基本的に部屋食や個室食で提供され、よりプライベート感の高いサービスを受けることができます。
山荘を選ぶべき方の特徴は以下の通りです:
- 歴史的建造物に宿泊する体験を重視する
- 組子障子などの日本建築の美しさを堪能したい
- レストランでの食事を楽しみたい
- コストパフォーマンスを重視する
佳松亭を選ぶべき方の特徴は以下の通りです:
- 静寂な環境でのんびり過ごしたい
- 部屋食でプライベートな食事時間を楽しみたい
- 露天風呂付き客室での特別な体験を求める
- 最高級のおもてなしを期待する
どちらを選んでも、積善館の全ての温泉施設を利用することができるため、温泉そのものの体験に大きな違いはありません。むしろ、宿泊体験全体のスタイルや雰囲気の違いに焦点を当てて選択することが重要です。
まとめ:積善館の風呂は歴史と現代が融合した至高の温泉体験
最後に記事のポイントをまとめます。
- 積善館には元禄の湯、杜の湯、山荘の湯、貸切風呂「積・善」、岩風呂(解体済み)の5つの温泉があった
- 日帰り利用は元禄の湯のみで、大人1,500円、利用時間は10:00~17:30である
- 元禄の湯は昭和5年建築の大正ロマネスク様式で国の登録有形文化財に指定されている
- 混浴の岩風呂は2023年2月末に解体工事により現在は存在しない
- 泉質はナトリウム・カルシウム塩化物硫酸塩温泉で源泉かけ流しである
- 千と千尋の神隠しのモデルの一つとされ、特に赤い橋が有名である
- 浴室での撮影は全面禁止だが公式フォトギャラリーで高品質な写真が無料利用可能である
- 日帰り利用者は町営の桐の木平駐車場(無料)を利用する必要がある
- 宿泊は本館(湯治スタイル)、山荘(歴史重視)、佳松亭(最高級)の3つから選択できる
- 山荘の湯は無料の貸切風呂として家族連れに人気である
- 貸切風呂「積・善」は45分間3,300円の有料予約制である
- 源泉は新湯川の川底から毎分900リットルが自然湧出している
- 飲泉も可能で日本三大胃腸病の名湯として知られている
- 建物によって料金体系が大きく異なり、土地の標高差がサービスレベルに反映されている
- 元禄7年創業の300年以上の歴史を持つ老舗温泉旅館である
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://www.sekizenkan.co.jp/day/
- https://www.jalan.net/yad372584/shisetu/
- https://www.sekizenkan.co.jp/
- https://www.jalan.net/yad327980/
- https://www.sekizenkan.co.jp/spa/
- https://unimogroove.blog.fc2.com/blog-entry-2238.html
- https://ameblo.jp/naruru8854/entry-12864754071.html
- https://www.ikyu.com/00001569/
- https://konyaqoo.blog.fc2.com/blog-entry-1951.html
- https://onsen.nifty.com/onsen-matome/210927600700/