「グランピングブームも終わりかな?」そんな声を聞くことが増えてきました。確かにコロナ禍で爆発的に人気を博したグランピングですが、2024年以降は検索数の減少や施設の乱立による価格競争など、かつての勢いに陰りが見え始めています。しかし市場全体を俯瞰すると、グランピングが廃れるというより「淘汰の時代」に突入したというのが正確な表現でしょう。一部の施設は稼働率70%超え・利益率20%以上を維持しており、施設間の二極化が鮮明になっています。
この記事では、グランピング市場の最新データや業界関係者の見解をもとに、グランピングが本当に廃れつつあるのか、それとも新たなステージに進化しているのかを徹底的に分析します。さらに生き残るための戦略や、今後注目すべきトレンドについても詳しく解説していきます。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ 2024年の検索数はピーク時の65%まで減少するも、稼働施設の売上は横ばい〜増加傾向 |
| ✓ グランピング施設の二極化が進行し、差別化できない施設から撤退が始まっている |
| ✓ インバウンド需要やペット同伴、ワーケーション市場の成長が新たな追い風に |
| ✓ 高級志向だけでなくリーズナブルな本格自然体験へのシフトが求められている |
グランピングが廃れると言われる背景と現状
- グランピングブームのピークは2024年だった
- 競合施設の急増が価格競争を生んだ
- 消費者ニーズの変化で選択肢が広がった
- 稼働率の二極化が進行している
- 検索数の減少が示すトレンドの変化
- キャンプブーム終焉との関連性
グランピングブームのピークは2024年だった
Googleトレンドのデータを見ると、グランピングの検索ボリュームは2021年7月にピークを迎え、その後は毎年約20%ずつ減少しています。2022年がピーク時の96%、2023年が80%、そして2024年は65%と、確実に下降トレンドを描いています。この流れでいけば2025年にはピーク時の半分程度にまで落ち込む可能性も指摘されています。
検索数の減少には2つの意味があると考えられます。1つ目は純粋に興味関心が薄れていること。GWや夏休みのレジャー選択肢としてグランピングの優先順位が下がっている可能性があります。2つ目は、グランピング自体が社会に認知され「当たり前」の存在になったこと。2021年頃は「最近話題のグランピングって何?」という調査目的の検索が多かったのに対し、現在はすでに体験済みの人が増え、初期の調査行動が減少したとも解釈できます。
しかし検索数の減少イコール市場の衰退とは限りません。興味深いことに、実際のグランピング施設の営業データを見ると、2024年3月の1室当たり平均売上は前年同月比99.0%、2022年同月比96.7%とほぼ横ばい。年間ベースでは2024年度が前年度比106.4%、2022年度比110.9%と逆に増加しているのです。
つまり「検索はしないけど予約はする」状態が生まれており、グランピングが一部の消費者にとって定番のレジャーとして定着しつつあることを示唆しています。ブーム初期の物珍しさで訪れる層は減ったものの、本当にグランピングを気に入った層がリピーターとなり、安定した需要を生み出していると言えるでしょう。
ただし施設間の格差は確実に広がっており、魅力的なコンテンツを持つ施設とそうでない施設の明暗がはっきりと分かれ始めています。ブームのピークが過ぎたことで、これまで「グランピング」という看板だけで集客できていた時代が終わり、真の実力が問われる段階に入ったのです。
市場調査会社のデータでも、グランピング施設の新規開業は2022年をピークに減速傾向にあります。一方で投資回収が見込める立地や独自性の高いコンセプトを持つ施設は依然として高い投資利回りを実現しており、「グランピングバブルの終焉」というより「市場の健全化」が進んでいると捉えるべきでしょう。
競合施設の急増が価格競争を生んだ
グランピングの人気が高まるにつれ、全国で新規参入する施設が急増しました。特に事業再構築補助金を活用した開業が相次ぎ、第1期から第10期までに約710件ものグランピング事業が採択されています。これは地方活性化の観点からは歓迎すべき動きですが、同時に供給過剰による競争激化という副作用も生み出しました。
近隣に類似コンセプトの施設が乱立した結果、特に小規模事業者は価格を下げざるを得ない状況に追い込まれています。差別化要素のない施設は価格競争に巻き込まれ、利益率が大幅に低下。設備のメンテナンスやサービス品質を維持するための投資が難しくなり、悪循環に陥るケースも少なくありません。
単に「流行りに乗る」のではなく、安定した経営を目指すことが重要になります
📊 グランピング施設の収益性比較
| 施設タイプ | 平均客単価 | 稼働率 | 年間売上(20棟) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 差別化成功施設 | 7万円 | 70% | 3.5億円 | 20〜40% |
| 標準的施設 | 4万円 | 40% | 1.1億円 | 5〜15% |
| 価格競争型施設 | 2万円 | 30% | 4,380万円 | 赤字〜5% |
特に「金太郎飴」と揶揄される半透明ドーム型グランピングの乱立が問題視されています。どの施設も似たようなスペック(手ぶらOK、水回り完備、BBQ設備)で、ユーザーからは「一体どこに行ったのか後になると記憶が曖昧」「料金が高いから1回行けばもう十分」という声が上がっているのです。
このような状況下では、初期投資の回収にも時間がかかります。一般的なグランピング施設の投資回収期間は5〜7年とされていますが、競争が激しいエリアでは10年以上かかるケースも出てきています。特に「儲け主義だけで参入したキャンプ場やグランピング場は、そのうち淘汰される」との指摘もあり、今後さらに廃業や事業転換が増える可能性が高いでしょう。
価格競争に巻き込まれないためには、立地の優位性、独自のコンセプト、質の高いサービス、特別な体験価値など、他施設にはない「選ばれる理由」を明確にする必要があります。単なる宿泊施設ではなく、その場所でしか得られない体験を提供できるかが、生き残りの鍵となっています。
消費者ニーズの変化で選択肢が広がった
グランピングが爆発的に流行した背景には、新型コロナウイルスの影響がありました。密を避けながら自然の中で楽しめる宿泊スタイルとして、多くの人がグランピングを選んだのです。しかし2023年以降、コロナ禍が落ち着くにつれて旅行の選択肢が広がり、従来のホテル・旅館・海外旅行なども利用できるようになりました。
その結果、「あえてグランピングを選ぶ理由」が薄れつつあるのも事実です。特にコロナ禍で初めてグランピングを体験した層の中には、以下のような不満を抱いた人も少なくありません。
❌ グランピング離れを招いた要因
- 🚿 水回りの不便さや不潔さ(共同トイレ・シャワー)
- 🔓 テントのセキュリティ面への不安(鍵がない、薄い壁)
- 🍴 料理の準備や後片付けのわずらわしさ
- 💰 価格の高さに見合わない体験価値
- 🌧️ 天候に左右されやすい(雨天時の楽しみ方が限定的)
実際にキャンプを体験してみると…恐らく脱落していった方々の理由は、①水回りが不便だったり不潔だったりする生活はしんどい、②テントへのセキュリティ面の不安、③料理への失望などではないでしょうか
一方で、海外旅行に目を向けると、インバウンド訪日観光客数は2025年予想で4,000万人を突破しコロナ前を優に超えていますが、日本人の海外旅行者数は約1,300万人とコロナ前の65%に留まっています。円安の影響で気軽に海外に行けなくなった日本人にとって、グランピングは「海外旅行の代替品」としての位置づけも期待されています。
しかし現実には、高級ホテルや温泉旅館、さらには東南アジアへの海外旅行など、同価格帯で選べる選択肢が豊富にあります。グランピング施設側は「なぜ高級ホテルではなくグランピングを選ぶべきなのか」という問いに、明確な答えを用意する必要があるでしょう。
消費者ニーズの多様化に対応するため、グランピング施設も単一のターゲット層を狙うのではなく、ファミリー向け・カップル向け・ワーケーション向けなど、明確なターゲット設定と、そのターゲットに刺さる体験設計が求められています。
稼働率の二極化が進行している
グランピング市場全体では施設数が増え続けていますが、すべての施設が均等に人気を集めているわけではありません。むしろ「勝ち組」と「負け組」の二極化が鮮明になっています。
SNSで話題の施設や、高級路線のグランピング施設には予約が殺到する一方で、特に特徴のない施設はガラガラという状況が生まれています。日本オートキャンプ協会のデータによると、2021年の日本全体のキャンプ場の平均稼働率は20.4%。しかし成功しているグランピング施設は稼働率40〜70%を実現しており、圧倒的な差が生まれています。
🎯 高稼働率施設の共通点
| 要素 | 具体例 |
|---|---|
| 立地優位性 | 富士山麓、白馬、那須高原、淡路島、伊勢志摩など人気観光エリア |
| 絶景・非日常 | 目の前に富士山、船でしか行けない秘境、無人駅グランピングなど |
| 高規格設備 | 客室温泉、プライベートサウナ、専用ガゼボ、プール完備 |
| 体験価値 | 地域特産品を活かした食事、自然アクティビティ、季節イベント |
| ターゲット明確 | ペット同伴特化、インバウンド対応、ワーケーション層向けなど |
例えば、群馬県みなかみ町のJR土合駅を利用した「DOAI VILLAGE」は、地下要塞のような「日本一のモグラ駅」という独自性で日経トレンディ2021ヒット予測ランキング1位を獲得。鉄道ファンだけでなく幅広い層に支持され、RevPER(販売可能客室あたり売上)が高水準を維持しています。
一方で、差別化要素に乏しい施設は苦戦を強いられています。新しい施設ほど予約が入りやすく、時間の経過とともに売上が下がる傾向があることも業界関係者から指摘されています。2021年当時は予約が取れなかった人気施設も、2024年には稼働率が低下しているケースが少なくありません。
この二極化は今後さらに加速するでしょう。資金力のある大手企業が参入し、高規格・大型施設を展開する一方で、小規模事業者は独自のニッチ市場を開拓するか、撤退を余儀なくされるかの選択を迫られています。中途半端なポジショニングの施設が最も厳しい状況に置かれることになるでしょう。
検索数の減少が示すトレンドの変化
Googleキーワードプランナーのデータを見ると、「グランピング」というキーワードの検索ボリュームは2022年と2024年でほぼ同水準を維持しており、市場として定着してきていることが分かります。ただし2024年7月には過去最高の検索件数を記録したものの、年間を通してみると減少傾向は否めません。
この検索数の変化は、グランピング市場が「成長期」から「成熟期」へと移行していることを示唆しています。新しい概念として注目を集めた段階は終わり、すでに認知された存在として「選ばれるか選ばれないか」が問われる段階に入ったのです。
📉 グランピング検索トレンドの推移
| 年 | ピーク時を100とした指数 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2021年 | 100 | – |
| 2022年 | 96 | -4% |
| 2023年 | 80 | -16% |
| 2024年 | 65 | -15% |
| 2025年予測 | 50〜55 | -15〜20% |
興味深いのは、検索数が減少している一方で、実際の施設の売上や稼働率は維持されている点です。これは「調べる段階から選ぶ段階へ」とユーザー行動が変化していることを意味します。グランピング初心者が「グランピングとは何か」を検索する段階は終わり、経験者が「どこのグランピング施設を選ぶか」を比較検討する段階に移っているのです。
また、検索キーワードの内容も変化しています。初期は「グランピングとは」「グランピング おすすめ」といった一般的な検索が多かったのに対し、現在は「グランピング ペット可」「グランピング サウナ付き」「グランピング 子連れ」など、より具体的なニーズに基づいた検索が増えています。
この変化は、グランピング事業者にとってSEO戦略の見直しが必要であることを示しています。単に「グランピング」という大きなキーワードで上位表示を狙うのではなく、自施設の強みに合わせたロングテールキーワードでの集客が重要になっています。
キャンプブーム終焉との関連性
グランピングとキャンプは同じアウトドアレジャーのカテゴリーに分類されますが、実はターゲット層が大きく異なります。この違いを理解することが、グランピングの今後を予測する上で重要です。
キャンプ人口は「オートキャンプ白書2023」によると、2022年時点で延650万人。コロナ前の2019年の延860万人から大きく減少しており、第2次キャンプブームの終焉が指摘されています。キャンプ用品メーカーの売上減少も報じられ、スノーピークの大幅減益なども話題になりました。
経営者の市場の読み違いからシュリンクが予想されるのはキャンプ市場ばかりではない。未だに全国で続々誕生の高級でスタイリッシュなグランピング施設なども、同様の理由でこの先フェードアウトしていく可能性があろう
しかし重要なのは、キャンプとグランピングでは市場規模が根本的に異なるという点です。キャンプ人口が延650万人(コア層)なのに対し、グランピングがターゲットとする「普通の国内旅行者」はコロナ前で年間延3億人を超えています。つまりグランピングの潜在市場は、キャンプの数十倍の規模があるのです。
✅ キャンプとグランピングの比較
| 項目 | キャンプ | グランピング |
|---|---|---|
| ターゲット層 | アウトドア好きのコア層 | 一般旅行者のライト層 |
| 潜在市場規模 | 延650万人 | 延3億人以上 |
| 必要スキル | テント設営、火起こしなど | 不要(手ぶらでOK) |
| 心理的ハードル | 高い(準備や知識が必要) | 低い(ホテル感覚) |
| 価格帯 | 数千円〜2万円 | 2万円〜10万円以上 |
キャンプを体験した人の中には「やはり水回りが不便」「準備が大変」「家族の支持を得られない」といった理由で離脱する人も多く、その受け皿としてグランピングが機能しているケースもあります。「自然は好きだけどキャンプしてまでは行かない」という層にとって、グランピングは理想的な選択肢なのです。
ただし、キャンプブームの終焉がグランピングに全く影響がないとは言えません。アウトドアレジャー全体への関心が薄れれば、グランピングも巻き込まれる可能性があります。また、キャンプ用品メーカーの撤退や縮小は、グランピング施設の設備調達コストにも影響を与える可能性があるでしょう。
グランピングが廃れるのではなく進化している証拠
- 市場規模は縮小ではなく成熟段階に入った
- 高収益施設は利益率20%超を維持している
- インバウンド需要がグランピングを支える
- ペット同伴やワーケーション需要が拡大中
- 差別化戦略が成功の鍵となっている
- 体験型アクティビティが集客力を高める
- まとめ:グランピングは廃れるのではなく淘汰の時代へ
市場規模は縮小ではなく成熟段階に入った
「グランピングブームが終わった」という表現は正確ではありません。より正確には「市場が成熟段階に入った」と表現すべきでしょう。ブーム初期の爆発的成長期は終わったものの、市場自体が消滅するわけではなく、アウトドア宿泊の選択肢として定着していく段階に入ったと考えられます。
実際の数字を見ても、グランピング施設の全体的な営業成績は悪くありません。2024年度の年間売上は前年度比106.4%、2022年度比110.9%と増加傾向にあります。これは「ブームの終わり」ではなく「市場の健全化」が進んでいる証拠と言えるでしょう。
🌱 市場成熟期の特徴
- ✅ 一過性の客ではなくリピーターが中心に
- ✅ 価格だけでなく体験価値で選ばれる
- ✅ 施設間の差別化が明確になる
- ✅ 収益性の高い事業モデルが確立される
- ✅ 投資判断がより慎重かつ戦略的になる
グランピングは日常のライフスタイルとも深くリンクしています。家具、インテリア、ファッション、車、健康、音楽、さらにはブライダルまで、様々な分野と融合しています。「グランピング」という言葉が消えたとしても、「自然に最も近い場所でラグジュアリーに過ごす」という文化は簡単には消えないでしょう。
また、日本の旅行市場全体を見ると、家族・親族旅行者数(夫婦旅行を除く)は2018年から2023年の5年間で46.4%から49.3%へ約3ポイント増加しています。少人数グループ旅行市場の成長性は依然として高く、この需要を取り込めるグランピング施設には大きなチャンスがあります。
日本のホテルの客室仕様はツインルームが中心で、4〜6人の小人数グループ旅行のニーズに十分応えられていません。この需給ギャップはグランピングにとって大きなビジネスチャンスであり、市場の成長余地を示しています。
成熟期に入ったことで、新規参入のハードルは確実に上がっています。しかし逆に言えば、適切な戦略と投資を行えば、安定した収益を長期間にわたって得られる事業として確立されつつあるのです。
高収益施設は利益率20%超を維持している
「グランピングは儲からない」という声も聞かれますが、これは一面的な見方です。確かに平均的な施設の収益性は決して高くありませんが、適切な戦略を持つ施設は驚くほど高い利益率を実現しています。
ヴィレッジインク社の橋村社長が運営する施設群は、コンスタントに20%超えの利益率を誇っています。同社の「グランドーム千葉富津」は開業2年目で通期黒字を達成し、RevPER(販売可能客室あたり売上)52,000円という好成績を維持。「グランピングヴィレッジ富士河口湖」もRevPER50,000円と、近隣の星野リゾート「星のや富士」に負けない業績を上げています。
💰 高収益グランピング施設のモデル収支例
| 項目 | 秘境プライベート型 | 一般キャンプ場型 |
|---|---|---|
| 年間売上 | 数千万円 | 数千万円 |
| 初期投資 | 4,500万円 | 2,800万円 |
| 稼働率 | 40% | 45% |
| 客単価 | 2万円前後 | 2,000円前後 |
| 投資回収期間 | 4年 | 3〜5年 |
| 営業利益率 | 20〜40% | 15〜30% |
新時代のグランピング施設(20棟規模)の典型的な収支モデルを見てみましょう。ADR(平均客室単価)7万円、稼働率70%で運営した場合、年間総収入は約3.5億円。人件費5,000万円、食材費3,150万円、集客手数料2,800万円などを差し引いた運営経費は約2.1億円。減価償却を除いた年間GOP(営業総利益)は1.4億円で、GOP比率40%という高収益を実現できます。
建築費12億円で計算すると、NOI利回りは11.7%。一般的なリゾートホテル投資を上回る10%超のNOI利回りが期待できるのは、初期投資を抑えられることと、事業の収益性の高さによるものです。
普通の経営をしていても、決して儲かる業界ではありません
ただしこの高収益は、誰でも達成できるわけではありません。立地選定、コンセプト設計、効率的なオペレーション、強力な集客プラットフォーム、適切な価格設定など、多くの要素を最適化する必要があります。特に人件費をいかに抑えながら高品質なサービスを提供するかが、収益性を左右する重要なポイントとなっています。
インバウンド需要がグランピングを支える
国内旅行市場だけでなく、インバウンド観光客もグランピングの重要なターゲットとなりつつあります。インバウンド訪日観光客数は2025年予想で4,000万人を突破し、コロナ前の水準を優に超えています。
特に立地条件の良い施設では、インバウンド需要が大きな支えになっています。富士五湖で運営する「グランピングヴィレッジ富士河口湖」では、全体予約の30%が海外旅行者。目の前に雄大な富士山がそびえるロケーションは、外国人観光客から絶大な人気を博しています。
🌏 インバウンド旅行者の特徴
| 特徴 | グランピング施設への影響 |
|---|---|
| 大人数グループ | 4〜6名で旅行することが多い |
| 非日常体験重視 | 日本的な自然体験に高い関心 |
| SNS映え意識 | 富士山などの絶景とグランピングの組み合わせが人気 |
| 価格感度低め | 特別な体験には相応の対価を支払う |
| 長期滞在傾向 | ホテルとは異なる宿泊体験を求める |
アジア系の旅行客は家族や友人など4〜6名の大人数で旅する傾向にあり、広い客室を持つグランピングとの親和性が高いです。日本のホテルはツインルームが中心で大人数グループに対応しにくいため、グランピング施設が選ばれやすいのです。
インバウンド対応には、多言語対応(英語・中国語・韓国語など)、決済手段の多様化、文化的配慮(食事制限への対応など)が必要です。また、外国人旅行者は予約プラットフォームとしてBooking.comやExpediaなどの海外OTAを利用する傾向が強いため、これらのプラットフォームへの掲載も重要になります。
ただし、インバウンド需要は為替レートや国際情勢に左右されやすいリスクもあります。特定の国からの旅行者に依存しすぎず、国内需要との適切なバランスを保つことが、安定経営のポイントとなるでしょう。
ペット同伴やワーケーション需要が拡大中
グランピング市場の新たな成長ドライバーとして注目されているのが、ペット同伴需要とワーケーション需要です。これらは従来のファミリー層やカップル層とは異なる新しいターゲット層を開拓する可能性を秘めています。
全世帯の約9%を占める犬飼育世帯は、「犬を預けて旅行」から「犬と一緒に旅行」へと行動パターンが変化しています。しかし犬と泊まれるホテルの数は少なく、需要過多の状態が続いています。広大な敷地を持ち、活動に制限を受けにくいグランピング施設は、愛犬家との親和性が非常に高いのです。
🐕 ペット同伴グランピングの成功ポイント
- ✅ ドッグラン併設で自由に走り回れる空間
- ✅ 他の宿泊客を気にせず過ごせるプライベート感
- ✅ ペット用アメニティの充実(食器、トイレシート、おもちゃなど)
- ✅ 室内外を自由に行き来できる設計
- ✅ ペット可エリアと不可エリアの明確な区分け
- ✅ 近隣の動物病院情報の提供
ワーケーション需要も見逃せません。テレワークの普及により、「自然の中で仕事をする」というライフスタイルが定着しつつあります。都市部から離れて自然の中で過ごしながら仕事ができるグランピング施設は、新しい働き方を求める層から注目されています。
ワーケーション対応には、安定した高速Wi-Fi、作業しやすいデスクとチェア、Web会議に適した静かな環境、長期滞在割引プランなどが必要です。平日の稼働率向上にも貢献するため、多くの施設がワーケーションプランの開発に力を入れています。
これらの新しいターゲット層は、従来の週末・ハイシーズン需要とは異なるタイミングで利用する傾向があります。平日や閑散期の稼働率向上に寄与し、年間を通じた安定経営に貢献する可能性が高いでしょう。
差別化戦略が成功の鍵となっている
グランピング市場で生き残るためには、明確な差別化戦略が不可欠です。成功している施設には共通して、「他にはない唯一無二の価値」があります。
差別化の方向性は大きく2つに分けられます。1つは「包み込み戦略」。周辺にあるグランピング施設の機能を全て網羅してしまうことで、あらゆるニーズに応えられる総合力で勝負する方法です。もう1つは「尖り戦略」。一般的なグランピングの機能に加え、「施設のキーとなるコンテンツ1つを極める」ことで、特定のニーズに圧倒的に刺さる施設を目指す方法です。
⚡ 差別化戦略の成功事例
| 施設名 | 差別化ポイント | 効果 |
|---|---|---|
| AQUA VILLAGE | 船でしか行けない秘境・西伊豆の絶景 | 特別感とプライバシー性で高単価維持 |
| DOAI VILLAGE | 地下要塞のような無人駅活用 | 鉄道ファン以外にも話題拡散 |
| 富士河口湖 | 目前の富士山・全室温泉・本格サウナ | インバウンド30%・高稼働率 |
| 波戸岬 | 玄界灘の絶景・九州初のキャンプフェス | 地域活性化と認知度向上 |
ヴィレッジインク社の橋村社長は「人が捨てたものに価値を見いだす」というポリシーで、無人駅、過疎地、耕作放棄地、廃校などを利活用しています。これらの場所は初期投資が比較的少なくて済む上に、非日常感を演出しやすく、地域活性化にも貢献できるという三方良しのモデルです。
最近は半透明のドームを使っているところが多くて、まるで金太郎飴状態。どこもスペックが似たり寄ったり。それはそれでいいけれど、高級ホテルと違いが感じられません
差別化のポイントは、必ずしも高額投資が必要なわけではありません。むしろストーリー性、地域との連携、独自のサービス、ホスピタリティなど、お金をかけずにできる差別化も多くあります。「このグランピング施設でしか体験できないこと」を明確に打ち出せるかどうかが、今後の成否を分けるでしょう。
体験型アクティビティが集客力を高める
グランピングの魅力は単に「おしゃれな空間に泊まる」ことではなく、「自然の中で特別な体験ができる」ことです。体験型アクティビティの充実度が、施設の集客力を大きく左右します。
BBQや焚き火といった定番アクティビティに加えて、より多彩な体験を提供することで差別化を図る施設が増えています。特に予約段階でアクティビティがセットになったプランは、売れ行きが好調です。
🎨 人気の体験型アクティビティ例
| カテゴリー | 具体例 | ターゲット層 |
|---|---|---|
| 自然体験 | いちご狩り、フルーツ狩り、釣り、星空観察 | ファミリー・カップル |
| ものづくり | 手作りピザ、薪ストーブ料理、クラフト体験 | 全年齢層 |
| 健康・癒し | ヨガ、瞑想、プライベートサウナ、森林浴 | 女性・カップル |
| 冒険・スポーツ | カヤック、SUP、トレッキング、雪中体験 | アクティブ層 |
| 文化体験 | 地域の祭り見学、伝統工芸、農業体験 | インバウンド・好奇心旺盛層 |
いちご狩りをインクルーシブしたプランや収穫したイチゴでスイーツを作る体験プランは必ずヒットします
アクティビティの導入にあたっては、自社で提供するだけでなく、地域事業者との連携も重要です。近隣のアクティビティ事業者、農園、牧場、工房などと提携することで、多様な体験メニューを用意できます。これは地域経済の活性化にもつながり、自治体からの支援を受けやすくなるメリットもあります。
天候に左右されないよう、屋内外両方で楽しめるプログラムを整備することも大切です。雨天時でも楽しめる室内アクティビティ(料理体験、クラフトワークショップ、ボードゲームなど)があれば、悪天候によるキャンセルを減らせます。
体験型アクティビティは、単なる付加価値ではなく、施設のコアバリューとして位置づけるべきです。「このアクティビティを体験したいからこのグランピング施設を選ぶ」という流れを作ることができれば、価格競争に巻き込まれることなく、安定した集客を実現できるでしょう。
まとめ:グランピングは廃れるのではなく淘汰の時代へ
最後に記事のポイントをまとめます。
- グランピングの検索数は2021年ピークから毎年20%減少しているが、実際の施設売上は横ばい〜増加傾向にある
- 市場は「成長期」から「成熟期」へ移行し、ブーム初期の爆発的拡大は終わった
- 競合施設の急増により価格競争が激化し、差別化できない施設は厳しい状況に
- 消費者ニーズが多様化し、「あえてグランピングを選ぶ理由」の提示が求められている
- 施設間の二極化が進行し、高稼働率施設と低稼働率施設の格差が拡大
- 成功施設は稼働率40〜70%、利益率20%超を実現し、投資回収期間4〜7年を達成
- インバウンド需要がグランピング市場の新たな成長ドライバーになりつつある
- ペット同伴やワーケーション需要など、新しいターゲット層が市場を拡大
- 無人駅や廃校など「人が捨てたもの」を活用した差別化戦略が効果的
- 体験型アクティビティの充実が集客力を大きく左右する時代に
- 「金太郎飴」のような画一的施設は淘汰され、独自性のある施設が生き残る
- 日本の家族旅行市場は成長しており、小人数グループ旅行のニーズは高い
- 海外旅行の代替としてのグランピング需要も期待されている
- 立地、コンセプト、サービス品質、集客力の総合力が問われる段階に入った
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- 【2025最新】グランピングブームはいつまで続く?今後の動向と安定経営のポイントを徹底解説!
- スノーピーク大幅減益が暗示する「見せびらかしキャンプ」の終焉、そして「グランピング」もフェードアウトする
- グランピングブームは終了?それとも続くのか!?
- 理念|一般社団法人 日本グランピング協会
- ブーム終わった?新時代のグランピングは建築費高騰時代のホテル投資の救世主
- キャンプブームは終わったの?グランピングは?
- グランピングの閑散期対応の秘策!
- 辺境地に”不法侵入”して黙々と整地…グランピングで利益率20%超続ける49歳社長の眼力
- グランピングの今後(グランピングは一過性のブームなのか?)
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