ヒルトンオナーズのゴールド会員にとって、朝食無料特典は最も魅力的なベネフィットの一つです。しかし2021年から始まったアメリカでの朝食無料特典の廃止と飲食クレジット制への移行が、規約改定によって世界的に拡大する可能性が出てきました。実際、2022年12月のヒルトン利用規約の更新では、「米国以外」という限定文言が削除され、地域やブランドによって特典内容が異なるという表現に変更されています。
この変更は日本のヒルトンホテル利用者にとって大きな関心事となっています。特にヒルトンアメックスカードを所有してゴールド会員資格を得ている方々は、朝食無料という重要なベネフィットが失われるのではないかと不安を感じているようです。本記事では、ヒルトンゴールド会員の朝食無料特典廃止の現状と今後の見通し、そして万が一廃止された場合の対応策について詳しく解説します。
記事のポイント!
- ヒルトンゴールド朝食無料特典廃止の現状と、アメリカと日本での違い
- 朝食無料特典が廃止された背景と今後の世界的展開の可能性
- 朝食無料の代わりとなる飲食クレジット制度の詳細と活用法
- ヒルトンゴールド会員特典を最大限活用するための代替策とアドバイス
ヒルトンゴールド朝食無料廃止の最新動向とその対応策
- ヒルトンゴールド朝食無料廃止はアメリカのみで日本は現状維持されている
- 朝食無料が廃止された背景はコスト上昇と会員プログラム再編の影響である
- 朝食無料の代わりに飲食クレジット制度が導入されている
- アメリカでの飲食クレジット額はホテルブランドによって10ドルから25ドルまで異なる
- 日本国内のヒルトンホテルでは現在も朝食無料特典が継続中である
- ヒルトンの規約変更から将来的な世界的拡大の可能性が浮上している
ヒルトンゴールド朝食無料廃止はアメリカのみで日本は現状維持されている
ヒルトンオナーズのゴールド会員特典として長く人気を集めてきた朝食無料サービスですが、2021年からアメリカ国内のヒルトンホテルでは大きな変更が実施されています。現在のところ、この朝食無料廃止の措置はアメリカ国内のヒルトンホテルのみに適用されており、日本を含む米国外のヒルトンホテルでは、従来通り朝食無料特典を利用することができます。
具体的には、日本国内のコンラッド東京やヒルトン東京、ヒルトン大阪などの人気ホテルでは、2023年時点でもヒルトンゴールド会員本人と同室に宿泊する1名まで(合計2名)の朝食が無料提供されています。これは従来のベネフィットが維持されているということで、日本でヒルトンを利用する多くの方にとっては朗報と言えるでしょう。
しかし、2022年12月8日にヒルトンの利用規約が改訂されたことで、今後の動向に不安の声が上がっています。改訂前の規約では「米国以外」に限定されていた朝食無料特典の記述が、「ブランドや地域によって異なる」という表現に変更されました。この変更は、将来的に米国外のホテルでも朝食無料特典が廃止される可能性を示唆しています。
とはいえ、本記事執筆時点(2025年3月)では、日本国内のヒルトンホテルにおいて朝食無料特典の廃止は実施されていません。ヒルトン公式からの正式な発表もないため、少なくとも近い将来に急に変更される可能性は低いと考えられます。
ヒルトンユーザーとしては、利用規約の変更がいつどのように実際のサービスに反映されるか注視しつつ、当面は現行のベネフィットを享受することをおすすめします。また、予約時に確認の電話を入れることで、最新の特典内容を把握することができます。
朝食無料が廃止された背景はコスト上昇と会員プログラム再編の影響である
ヒルトンがアメリカ国内で朝食無料特典を廃止した背景には、いくつかの要因が考えられます。まず第一に、世界的なインフレーションの影響で食材費や運営コストが上昇していることが挙げられます。特に2021年以降、食材価格の高騰はホテル業界全体に大きな負担となっており、無料で朝食を提供し続けることが難しくなった可能性があります。
また、ヒルトンオナーズの会員数増加も一因と考えられます。特にヒルトンアメックスなどのクレジットカードを通じてゴールド会員資格を取得する方が増え、朝食無料特典を利用する会員が増加したことで、ホテル側のコスト負担が大きくなっていることが推測されます。一部の報告では、ヒルトンが会員制度全体の収益バランスを見直す過程で、特典内容の調整を図っているとも言われています。
さらに、コロナ禍を経て、ホテル業界全体がサービス内容を見直す動きがあります。パンデミック中に簡素化されたサービスの一部が、コスト削減のために恒久的な変更として残っている例は少なくありません。朝食無料の廃止もこうした業界全体の流れに沿ったものと見ることができるでしょう。
興味深いのは、ヒルトンだけでなく、マリオットやIHGといった競合ホテルグループも同様のサービス見直しを行っていることです。特に上級会員特典の調整は業界全体のトレンドとなっており、ヒルトンの動きもこの流れに沿ったものと言えるでしょう。
しかし日本を含むアジア地域では、朝食の質や種類が重視される傾向が強く、朝食無料特典の価値が相対的に高いと考えられています。このような地域差を考慮すると、ヒルトンが全世界で一律に同じ特典変更を適用するかどうかは慎重に判断される可能性があります。実際、日本のヒルトンホテルでは現時点で朝食無料特典が維持されていることからも、地域ごとの市場特性が考慮されていることが窺えます。
朝食無料の代わりに飲食クレジット制度が導入されている
アメリカのヒルトンホテルでは、朝食無料特典の代わりに「飲食クレジット制度」が導入されています。この制度では、ゴールド会員とダイヤモンド会員に対して、滞在中毎日一定額の飲食クレジットが付与されます。このクレジットは、ホテル内のレストランやバーで使用することができるようになっています。
飲食クレジット制度の大きな特徴は、朝食だけでなく、ランチやディナー、バーでのドリンクなど、様々な飲食サービスに利用できる柔軟性です。例えば、朝食を外で取る予定があれば、夜にホテルのバーでカクテルを楽しむためにクレジットを使うことも可能です。このような柔軟性は、特に出張者など朝早く出かける必要がある宿泊客には歓迎される側面もあります。
一方で、クレジット額が実際の朝食料金をカバーできないケースも多く見られます。特に高級ホテルでは朝食一人あたり30ドル以上かかることも珍しくありませんが、付与されるクレジットは最大でも25ドル程度のため、差額を支払う必要が生じることがあります。これは実質的な特典価値の低下と言えるでしょう。
また、クレジットの繰り越しができないという制限もあります。つまり、その日に使わなかったクレジットは翌日に持ち越すことができず、使わなければ失効してしまいます。ただし、チェックアウト日に限り、それまでの滞在中に使用しなかったクレジットを、最大で1日分のクレジット額まで利用することが可能となっています。
日本のヒルトンでも将来的に同様のシステムが導入された場合、価格設定や使用条件がどうなるかは不透明です。しかし、アメリカの事例を参考にすると、完全無料の朝食特典に比べると特典価値が低下する可能性が高いと言えるでしょう。特に日本のホテルの朝食ビュッフェは質・量ともに充実していることが多く、クレジット制に移行した場合の影響は少なくないかもしれません。
アメリカでの飲食クレジット額はホテルブランドによって10ドルから25ドルまで異なる

アメリカのヒルトンホテルでは、飲食クレジットの金額がホテルブランドによって異なります。最も高額なクレジットが付与されるのは、ヒルトンの最高級ブランドであるウォルドーフ・アストリア、LXRホテルズ&リゾーツ、コンラッドホテルズ&リゾーツで、これらのブランドでは1人1日あたり25ドルのクレジットが提供されています。
次のランクとして、キャノピーbyヒルトン、ヒルトンホテルズ&リゾーツ、シグニアbyヒルトン、キュリオコレクションbyヒルトンなどの中堅ブランドでは、15ドルから18ドル程度のクレジットが付与されます。一方、ヒルトンガーデンインなどのカジュアルブランドでは、10ドル程度と最も低額のクレジットとなっています。
このクレジット額の設定は、各ブランドの朝食提供価格や全体的な価格帯に基づいていると考えられますが、実際の朝食料金と比較すると不足する場合が多いのが現状です。例えば、コンラッドのような高級ホテルでは、フルブレックファストが30~40ドル程度することもあり、25ドルのクレジットでは足りないケースが珍しくありません。
また、地域によって物価や税率が異なるため、同じ25ドルのクレジットでも、ニューヨークのような高コストエリアではあまり多くの食事を賄えない一方、地方都市では比較的余裕をもって使えるといった違いも生じています。
日本のヒルトンホテルで将来的に飲食クレジット制が導入された場合、日本のホテル朝食の相場(3,000円~6,000円程度)を考えると、適切なクレジット額の設定は重要な課題となるでしょう。特に、コンラッド東京やROKU KYOTOなどの高級ホテルでは、朝食料金が6,000円を超えるケースも多く、十分なクレジット額が設定されなければ、会員にとって大きな不利益となる可能性があります。
現時点ではあくまで推測の域を出ませんが、もし日本でもクレジット制が導入される場合、アメリカの例に倣って1,000円~3,000円程度のクレジットが付与される可能性が考えられます。これは現行の完全無料システムと比較すると、明らかな改悪となるでしょう。
日本国内のヒルトンホテルでは現在も朝食無料特典が継続中である
2025年3月現在、日本国内のヒルトンホテルでは、ゴールド会員およびダイヤモンド会員に対する朝食無料特典は継続して提供されています。これは、コンラッド東京、ヒルトン東京、ヒルトン大阪、ROKU KYOTOなど、日本全国のヒルトンブランドのホテルで共通して適用されている特典です。
日本のヒルトンホテルでは、基本的にゴールド会員本人と同室に宿泊する1名、合計2名までの朝食が無料となります。朝食は通常、ホテル内の指定レストランでのビュッフェスタイルで提供されることが多く、その内容も充実しています。例えば、コンラッド東京ではロブスターオムレツなど高級食材を使った料理も楽しむことができます。
また、日本のヒルトンホテルの朝食は一般的に質が高いことで知られています。和食から洋食まで幅広いメニューが揃い、地元の食材を活かした料理が提供されることもあります。例えば、ROKU KYOTOでは京都の食材を活かした朝食が楽しめると評判です。
特筆すべきは、ヒルトン成田やヒルトン大阪など一部のホテルでは、同室に宿泊する人数分の朝食が無料になるという特典を独自に提供しているケースもあることです。これは公式のヒルトンオナーズ特典を超える、ホテル独自のサービスと言えるでしょう。
また、ROKU KYOTOでは、通常2名までとなっている朝食無料特典を3名まで拡大して提供していることが知られています。これはROKU KYOTOのユニークな特典であり、家族連れやグループでの旅行者に特に好評です。ROKU KYOTOの朝食は1名あたり6,300円(税込み)と高額なため、3名まで無料になることで最大18,900円相当の価値がある特典となっています。
このように、日本国内のヒルトンホテルでは現時点で朝食無料特典が維持されており、一部のホテルでは公式特典以上のサービスが提供されている状況です。今後の動向には注視が必要ですが、現在は十分に特典を享受できる環境が整っていると言えるでしょう。
ヒルトンの規約変更から将来的な世界的拡大の可能性が浮上している
2022年12月8日にヒルトンオナーズの利用規約が改訂され、朝食無料特典に関する重要な変更が行われました。改訂前の規約では、「無料のコンチネンタルブレックファースト(オールインクルーシブホテル、エグゼクティブラウンジのあるホテル、および米国以外のみ)」と明記されていました。しかし改訂後は、「無料のコンチネンタルブレックファースト、またはデイリーフード&ビバレッジクレジット(ブランドおよび地域によって異なります)」という表現に変更されました。
この変更で特に注目すべきは、「米国以外のみ」という地域限定の文言が削除され、代わりに「ブランドおよび地域によって異なります」という曖昧な表現に置き換えられたことです。この変更は、将来的に朝食無料特典の廃止とクレジット制度の導入が米国外にも拡大される可能性を示唆しています。
実際に、2022年頃からは一部の米国外の「モットーbyヒルトン」ブランドのホテルでも飲食クレジット制が導入され始めています。例えば、モットーbyヒルトン・トゥルムでは1泊につき12ドル分、モットーbyヒルトン・ロッテルダム・ブラークでは1泊につき10ユーロ分のクレジットが提供されるようになりました。これは地域拡大の最初の兆候と見ることもできます。
ホテル業界に詳しい専門家の中には、この規約変更をきっかけに、今後2~3年かけて段階的に世界中のヒルトンホテルで朝食無料特典が見直される可能性があると指摘する声もあります。特に北米市場での変更が問題なく受け入れられた場合、他の地域にも拡大するシナリオは十分に考えられるでしょう。
ただし、すぐに全世界で一律に変更が実施される可能性は低いと考えられています。ヒルトンはこれまでも地域ごとの市場特性や競合状況に応じて異なるアプローチを取ってきた歴史があります。特にアジア地域では朝食の質が重視される傾向があり、朝食無料特典は重要な差別化要素となっています。そのため、日本を含むアジア地域では、欧米よりも朝食無料特典が長く維持される可能性も考えられます。
結論としては、規約変更によって将来的な特典変更の可能性は高まっていますが、いつどのような形で実施されるかは現時点では不明確です。ヒルトンユーザーとしては、公式アナウンスや最新の情報に注意を払いつつ、現行の特典をできるだけ活用することが賢明でしょう。
ヒルトンゴールド朝食無料廃止後の活用法と代替特典
- ヒルトンゴールド会員の朝食特典は子供も含めて2名までが基本である
- ROKU KYOTOでは朝食無料特典が3人まで拡大されて利用可能である
- ヒルトンゴールド会員はアップグレードでエグゼクティブラウンジが利用できる場合がある
- ヒルトンアメックスカードでゴールド会員資格を無条件で取得できる
- ヒルトンダイヤモンド会員との違いはスイートアップグレードとラウンジアクセスにある
- ダイヤモンド会員は今のところ朝食無料特典が維持されている
- 朝食無料特典が廃止されても活用できるヒルトンゴールド会員の他特典がある
- まとめ:ヒルトンゴールド朝食無料廃止は地域によって影響が異なるため最新情報の確認が重要
ヒルトンゴールド会員の朝食特典は子供も含めて2名までが基本である
ヒルトンゴールド会員の朝食無料特典は、基本的に会員本人と同室に宿泊する1名まで、合計2名分が対象となっています。この2名というルールは、大人2名の場合でも、大人1名と子供1名の場合でも同様に適用されます。つまり、家族連れで宿泊する場合、例えば両親と子供1名の3人家族の場合、子供分の朝食は通常追加料金が必要となります。
ただし、子供の年齢によっては無料となるケースもあります。多くのヒルトンホテルでは、5歳以下の子供は朝食が無料という方針を採用しています。例えば、コンラッド東京では未就学児の朝食は無料、ヒルトン東京お台場でも未就学児の朝食は無料となっています。ただし、6歳以上の子供については、ホテルごとに異なる子供料金が設定されていることが一般的です。
具体的な子供料金は、ホテルによって大きく異なります。例えば、コンラッド東京では小学生の場合2,720円、中学生以上は4,934円となっています。一方、ヒルトン東京お台場では小学生が1,492円、中学生以上が2,983円と、かなりの差があります。また、年齢区分も細かく設定しているホテルもあり、ヒルトン東京ベイでは0~3歳、4~8歳、9~13歳、14歳~と4つの区分に分けて料金を設定しています。
一部のホテルでは、独自のサービスとして、子供の朝食料金を割引したり、特定の年齢まで無料にしたりするケースもあります。例えば、ヒルトン成田では10歳までの子供は無料、ヒルトン名古屋では11歳(12歳でも小学生なら含む)までの子供が無料になるなど、ホテルごとに異なるサービスが提供されています。
このように、ヒルトンゴールド会員の朝食特典を家族連れで最大限に活用するためには、宿泊予定のホテルの具体的な子供料金や年齢制限を事前に確認することが重要です。特に子供が複数いる家族の場合は、朝食代だけでも相当な金額になる可能性があるため、事前のリサーチが大切です。また、ホテルに直接問い合わせることで、公式情報にはない柔軟な対応が可能な場合もあるため、交渉の余地も覚えておくとよいでしょう。
ROKU KYOTOでは朝食無料特典が3人まで拡大されて利用可能である
ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resortsは、京都市内にある比較的新しいヒルトンの高級リゾートホテルですが、ここではヒルトンゴールド会員特典として特別なサービスが提供されています。通常、ヒルトンの朝食無料特典は会員本人と同室の1名まで(合計2名)が対象ですが、ROKU KYOTOでは独自のサービスとして、会員と同室に宿泊するゲスト2名まで、つまり合計3名分の朝食が無料となっています。
この特典は、ROKU KYOTOの公式ウェブサイトにも明記されており、「当ホテル独自の特典として、通常のヒルトン・オナーズ特典である無料朝食2名様分に1名追加した合計3名様分(会員様および同室にご滞在されるお客様2名)まで朝食を無料でお召し上がりいただけます」と説明されています。
ROKU KYOTOの朝食はその質の高さでも有名で、2023年10月時点での朝食料金は6,300円(税・サービス料込み)とされています。つまり、3人で朝食を利用すると18,900円相当のサービスが無料で受けられることになり、非常に価値の高い特典と言えるでしょう。
特に、家族旅行や友人同士のグループ旅行で3人で宿泊する場合、この特典は大きなメリットとなります。一般的に高級ホテルの朝食は料金が高額になりがちですが、ROKU KYOTOではそれが3人分まで無料になるため、旅行予算を大幅に節約することができます。
ただし、この優遇特典はROKU KYOTOのユニークなサービスであり、他のヒルトンホテルでは基本的に2名までの無料朝食という標準ルールが適用されることに注意が必要です。また、規約変更や特典内容の見直しによって、将来的にこのサービスが変更される可能性もあるため、予約時には最新の情報を確認することをおすすめします。
ヒルトンユーザーの間では、このROKU KYOTOの朝食特典は「隠れた価値」として評価が高く、京都旅行の際に優先的に検討するホテルの一つとして挙げられることも多いようです。もし京都旅行を計画しているヒルトンゴールド会員であれば、ROKU KYOTOの朝食特典を積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
ヒルトンゴールド会員はアップグレードでエグゼクティブラウンジが利用できる場合がある
ヒルトンゴールド会員にとって、朝食無料特典に次いで魅力的なのが客室アップグレードの可能性です。興味深いのは、このアップグレードによって間接的にエグゼクティブラウンジへのアクセスが可能になる場合があることです。通常、エグゼクティブラウンジの利用はダイヤモンド会員の特典ですが、ゴールド会員でも特定の条件下では利用することができます。
具体的には、ゴールド会員が空室状況に応じてエグゼクティブフロアの客室にアップグレードされた場合、そのフロアに宿泊するゲスト特典としてエグゼクティブラウンジを利用することが可能になります。このエグゼクティブラウンジでは、朝食だけでなく、アフタヌーンティーやイブニングカクテル、軽食やドリンクなどが無料で提供され、滞在価値を大きく高めることができます。
アップグレードの可能性は、宿泊するタイミングや混雑状況に大きく左右されます。一般的に、オフシーズンや平日の方が部屋の空きがあるため、アップグレードされる確率は高くなります。逆に、ゴールデンウィークや年末年始などの繁忙期は、アップグレードを期待するのは難しいでしょう。
日本国内のヒルトンホテルでは、コンラッド東京、コンラッド大阪、ヒルトン東京、ヒルトン大阪などの主要ホテルにエグゼクティブラウンジが設置されています。特にコンラッド東京のラウンジは評価が高く、東京の素晴らしい景色を眺めながら上質なサービスを楽しむことができると言われています。
アップグレードでエグゼクティブラウンジを利用するコツとしては、チェックイン時に丁寧にリクエストしてみることが挙げられます。
直接リクエストをすることで、空室があればスタッフが対応してくれる可能性が高まります。また、特別な機会(誕生日や記念日など)を伝えておくと、記念日の祝福という形でアップグレードしてもらえることもあります。
エグゼクティブラウンジの利用価値は非常に高く、例えばコンラッド東京では、ラウンジの1回の利用料金が外部ゲストの場合7,000円と設定されています。滞在中に朝食、アフタヌーンティー、イブニングカクテルの3回利用すれば、理論上は21,000円相当のサービスを受けることができる計算になります。そのため、エグゼクティブフロアへのアップグレードは、実質的な宿泊価値を大きく高める要素と言えるでしょう。
ただし、アップグレードはあくまで空室状況次第であり、保証されたものではありません。期待しすぎずに、もしアップグレードされたらラッキーという気持ちで臨むことをおすすめします。また、ホテルによってはエグゼクティブラウンジがない場合もあるため、事前にホテル情報を確認しておくことも大切です。
アップグレードの可能性を高めるもう一つの方法として、ヒルトンアプリを使ったオンラインチェックインがあります。宿泊前日にアプリ上でチェックインが可能になると、選択できる部屋のオプションが表示されます。ここでエグゼクティブフロアの部屋が選択肢に表示されていれば、アップグレードが適用されている証拠です。夕方や夜に再確認すると、日中になかったアップグレードオプションが追加されていることもあるため、何度かアプリをチェックしてみることも有効です。
ヒルトンアメックスカードでゴールド会員資格を無条件で取得できる

ヒルトンオナーズのゴールド会員資格を獲得する最も一般的で確実な方法は、アメリカン・エキスプレスが発行する「ヒルトン・オナーズ・アメリカン・エキスプレス・カード」(通称:ヒルトンアメックス)を取得することです。このカードの大きな特徴は、カードを所有するだけで自動的にヒルトンオナーズのゴールド会員資格が付与される点にあります。
通常、ヒルトンオナーズのゴールド会員資格を得るには、1年間に20回以上のホテル滞在か、40泊以上の宿泊、または75,000ベースポイントの獲得が必要です。この条件をクリアするのは決して容易ではありませんが、ヒルトンアメックスを持つことで、こうした条件を満たさなくても、カード発行と同時にゴールド会員資格が得られるのです。
ヒルトンアメックスは日本では2種類が提供されています。標準的な「ヒルトンオナーズ・アメリカン・エキスプレス・カード」(年会費16,500円)と、上位版の「ヒルトンオナーズ・アメリカン・エキスプレス・プレミアムカード」(年会費66,000円)です。どちらのカードもゴールド会員資格が自動付与されますが、プレミアムカードには年間カード利用額が200万円を超えるとダイヤモンド会員資格が付与されるという特典もあります。
年会費は決して安くはありませんが、朝食無料特典を考えると、年に数回ヒルトンホテルを利用するだけで元が取れる計算になります。例えば、コンラッド東京の朝食は1人あたり約5,000円、2人で約10,000円です。年に2回の宿泊で朝食を利用すれば、すでに年会費以上の価値を得られることになります。
さらに、ヒルトンアメックスには「ウィークエンド無料宿泊特典」も付帯しており、一定の条件を満たすと年に1泊分の無料宿泊が可能です。ヒルトンアメックスカードの場合は年間150万円以上のカード利用で翌年に1泊分、プレミアムカードの場合は無条件で1泊分(さらに年間300万円以上の利用で追加1泊分)の無料宿泊が提供されます。この特典は国内のコンラッド東京や大阪、ROKU KYOTOなどの高級ホテルでも利用可能で、1泊あたり5万円以上の価値があることも珍しくありません。
カードの還元率も魅力的で、通常の利用で2%(ヒルトン利用時は3%)、プレミアムカードでは3%(ヒルトン利用時は7%)のポイント還元があります。このポイントはヒルトンオナーズポイントに交換でき、将来の宿泊に活用することができます。
ヒルトンアメックスは、頻繁にヒルトンを利用する旅行好きや出張が多いビジネスパーソンにとって、投資価値の高いカードと言えるでしょう。朝食無料特典の廃止が将来的に日本でも実施される可能性はありますが、その場合でも飲食クレジットへの移行が予想され、他のベネフィットと合わせれば依然として魅力的なカードであることに変わりはないでしょう。
ヒルトンダイヤモンド会員との違いはスイートアップグレードとラウンジアクセスにある
ヒルトンオナーズのゴールド会員とダイヤモンド会員の間には、いくつかの重要な特典の違いがあります。現在の朝食無料特典に関しては両者とも同等ですが、客室アップグレードとエグゼクティブラウンジのアクセスについては、大きな差異が存在します。
まず、客室アップグレードに関して、ゴールド会員の場合、最高でもエグゼクティブフロアカテゴリーまでのアップグレードが対象です。一方、ダイヤモンド会員はスイートルームを含む上位カテゴリーへのアップグレード対象となります。この違いは大きく、スイートルームは通常の客室と比較して広さや設備、眺望などが格段に優れており、宿泊体験の質に大きな差が生じます。例えば、コンラッド東京のスイートルームは通常の客室より2倍以上の面積があり、リビングルームやダイニングエリアなどが備わっている場合もあります。
次に、エグゼクティブラウンジのアクセスについて、ダイヤモンド会員は会員特典として無条件でエグゼクティブラウンジを利用することができます。一方、ゴールド会員の場合は前述の通り、エグゼクティブフロアの客室にアップグレードされた場合のみラウンジアクセスが可能となります。エグゼクティブラウンジでは朝食のほか、一日を通じて軽食やドリンク、アフタヌーンティー、イブニングカクテルなどが提供され、滞在価値を大幅に高めてくれます。
また、ポイント還元率の違いもあります。通常の宿泊では、ゴールド会員が80%のボーナスポイント(ベースポイントに対して)を獲得するのに対し、ダイヤモンド会員は100%のボーナスポイントを獲得します。この差は、長期的に見るとかなりのポイント差につながります。
さらに、一部のホテルではダイヤモンド会員向けの特別なサービスが提供されることもあります。例えば、チェックイン時の優先対応、特別なウェルカムギフト、高速Wi-Fiの無料提供などがあります。これらの特典は、ホテルによって異なる場合がありますが、全体としてダイヤモンド会員へのサービスはより手厚い傾向にあります。
ダイヤモンド会員の資格を得るには、通常は年間30回以上の滞在または60泊以上の宿泊、あるいは120,000ベースポイントの獲得が必要です。これはゴールド会員の条件(20回滞在または40泊、75,000ベースポイント)よりもハードルが高く設定されています。また、前述のヒルトンアメックスプレミアムカードを所有し、年間200万円以上の利用で達成するという方法もあります。
朝食無料特典の廃止が世界的に進む場合でも、もし条件が整えばゴールド会員からダイヤモンド会員へのステータスアップは検討する価値があるでしょう。ダイヤモンド会員の特典は朝食以外の部分でも大きな価値があり、頻繁に宿泊する方にとっては魅力的な選択肢となるはずです。
ダイヤモンド会員は今のところ朝食無料特典が維持されている
ヒルトンオナーズのダイヤモンド会員に関しては、2025年3月現在でも朝食無料特典は全世界で維持されています。アメリカ国内のホテルでは、ゴールド会員の朝食無料特典が飲食クレジット制に変更された一方で、ダイヤモンド会員についてはエグゼクティブラウンジがあるホテルでは従来通りラウンジでの朝食提供が継続されています。
エグゼクティブラウンジがないホテルの場合、ダイヤモンド会員もゴールド会員と同様に飲食クレジット制が適用されるケースもありますが、クレジット額がゴールド会員より高く設定されていることもあります。これは、ダイヤモンド会員の特典価値を維持するための施策と考えられます。
日本を含む米国外のホテルでは、ダイヤモンド会員の朝食無料特典は従来通り維持されています。例えば、コンラッド東京やROKU KYOTOなどの高級ホテルでは、ダイヤモンド会員本人と同室の1名まで(合計2名)の朝食が無料で提供されています。加えて、ダイヤモンド会員はエグゼクティブラウンジへのアクセスも保証されており、朝食をラウンジで取ることも、メインレストランで取ることも選択できます。
また、一部のホテルでは、ダイヤモンド会員向けに特別なサービスとして、3人目以降の同室宿泊者の朝食も無料にするなどの対応を行っている場合があります。これはヒルトンの公式規約ではなく、各ホテルの独自サービスとなりますが、ダイヤモンド会員の価値をさらに高める要素となっています。
現在の状況から推測するに、将来的に朝食無料特典の廃止が世界的に拡大されたとしても、ダイヤモンド会員については少なくとも一定の優遇措置が維持される可能性が高いでしょう。例えば、ゴールド会員よりも高額の飲食クレジットが提供されたり、エグゼクティブラウンジのある高級ホテルでは引き続き朝食特典が維持されたりするなどの差別化が図られる可能性があります。
ダイヤモンド会員資格の取得は決して容易ではありませんが、年間30回以上の滞在または60泊以上の宿泊という条件を満たすことができる頻繁な旅行者や、ヒルトンアメックスプレミアムカードで年間200万円以上の利用が可能な方にとっては、非常に価値のあるステータスと言えるでしょう。特に朝食特典が廃止される可能性が高まっている現状では、ゴールド会員からダイヤモンド会員へのアップグレードは、重要な対策の一つとなり得ます。
ただし、ダイヤモンド会員についても将来的な特典変更がないという保証はありません。ヒルトンは市場環境やコスト状況に応じて、会員プログラムを継続的に見直していく可能性があります。そのため、現在ダイヤモンド会員の方も、最新の情報に注意を払いながら特典を活用していくことが望ましいでしょう。
朝食無料特典が廃止されても活用できるヒルトンゴールド会員の他特典がある
ヒルトンゴールド会員の朝食無料特典が将来的に廃止される可能性があるとしても、ゴールド会員には他にも魅力的な特典があります。そのため、朝食特典だけに焦点を当てるのではなく、会員特典を総合的に評価することが重要です。
まず、客室アップグレードの特典は非常に価値があります。空室状況によりますが、ゴールド会員は最大でエグゼクティブフロアカテゴリーまでの客室にアップグレードされる可能性があります。このアップグレードによって、より広い客室や良い眺望の部屋、あるいはエグゼクティブフロアの客室を通常料金よりも安く利用できることになります。例えば、コンラッド東京の場合、通常の客室とエグゼクティブフロアの客室では1泊あたり1万円以上の価格差があることも珍しくありません。
また、ポイント還元の優遇も重要な特典です。ゴールド会員は通常のベースポイントに加えて80%のボーナスポイントが付与されます。つまり、宿泊1ドルあたり10ポイント(ベースポイント)+8ポイント(ボーナスポイント)の合計18ポイントが獲得できることになります。このポイントは将来の宿泊に使用したり、提携航空会社のマイルに交換したりすることができます。
他にも、レイトチェックアウトの特典があります。通常のチェックアウト時間(多くのホテルでは11時または12時)よりも遅い時間まで部屋を利用できる可能性があります。これは特に午後の飛行機やその後の予定がある場合に便利な特典です。ホテルによって対応は異なりますが、最大で14時頃までのレイトチェックアウトが可能な場合もあります。
さらに、ヒルトンアプリを通じたデジタルチェックインやデジタルキーの利用も、ゴールド会員の特典の一つです。これにより、フロントでの待ち時間を省き、よりスムーズにホテル滞在を開始することができます。
ヒルトンオナーズのウェブサイトや公式アプリでの予約時には「会員価格」も適用されます。この割引は一般料金と比較して2%以上の割引となるケースが多く、長期滞在や高級ホテルの利用時には相当な節約につながる可能性があります。
また、ヒルトンゴールド会員はレストランでの割引特典も利用できます。多くのヒルトンホテルでは、ゴールド会員がホテル内のレストランやバーで最大25%の割引を受けることができます。この特典は、朝食無料が廃止されて飲食クレジット制に移行した場合でも、クレジットと組み合わせることで食事の総額を抑える助けになるでしょう。
以上のように、朝食無料特典が廃止されたとしても、ヒルトンゴールド会員には他にも多くの価値ある特典があります。特にアップグレードやポイント還元の優遇は、頻繁にヒルトンを利用する方にとって大きなメリットとなります。朝食特典の変更に備えて、これらの特典をより積極的に活用する戦略を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ:ヒルトンゴールド朝食無料廃止は地域によって影響が異なるため最新情報の確認が重要
この記事のポイントをまとめます。
- ヒルトンゴールド会員の朝食無料特典は、2021年からアメリカ国内では廃止され、代わりに飲食クレジット制が導入されている
- 日本を含む米国外のヒルトンホテルでは、2025年3月現在も朝食無料特典は継続している
- 2022年12月の規約改定で「米国以外」という文言が削除され、将来的に世界的な朝食無料特典廃止の可能性が示唆されている
- アメリカでの飲食クレジット額はホテルブランドによって異なり、ウォルドーフ・アストリアやコンラッドでは25ドル、ヒルトンガーデンインでは10ドルとなっている
- 朝食特典廃止の背景には、食材費や運営コストの上昇、会員数の増加によるコスト負担などがある
- 日本のヒルトンホテルでは、基本的にゴールド会員本人と同室1名までの朝食が無料となる
- ROKU KYOTOでは特別に3人まで朝食無料特典が適用される
- ヒルトンアメックスカードの取得により、カード会員は自動的にゴールド会員資格を得ることができる
- ゴールド会員とダイヤモンド会員の主な違いは、スイートルームへのアップグレード可能性とエグゼクティブラウンジへの無条件アクセスにある
- ダイヤモンド会員は現時点でも朝食無料特典が維持されており、将来的に特典が変更されてもより優遇される可能性が高い
- エグゼクティブフロアにアップグレードされた場合、ゴールド会員もラウンジアクセスが可能になる場合がある
- 朝食無料特典以外にも、客室アップグレード、ポイント還元優遇、レイトチェックアウトなど、活用できる多くの特典がある
- ホテルによって子供の朝食料金や年齢制限は異なるため、事前に確認することが重要
- 将来的に日本でも飲食クレジット制が導入された場合、クレジット額が朝食料金をカバーできない可能性がある
- 最新の特典内容を把握するためには、予約時にホテルに直接確認することが推奨される
ヒルトンゴールド会員の朝食無料特典は、現時点では日本国内では維持されていますが、将来的な変更の可能性を念頭に置いておくことが重要です。特典内容は常に変更される可能性があるため、最新情報に注意を払いながら、現在の特典を最大限に活用することをおすすめします。また、朝食特典に過度に依存するのではなく、アップグレードやポイント還元など他の特典も含めた総合的な価値を評価することで、どのような変更があっても最適な選択ができるでしょう。